縫製工場 京都物作り工房

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オリジナル商品

はじまり・・・・

親の代から、針と糸のそばで生きてきました。 縫製屋という仕事は、毎日が同じようでいて、実は一型一型が違う。 そんな日々の中で、ふと夢のように思うことがあります。 ——いつか、自分たちの名前で、オリジナルの商品を世に出してみたい、と。 たぶん、その想いだけでこの会社を作ったのだと思います。 始まりは自由でした。柿渋で染めたアロハシャツを作ったり 、原価のことなど考えず、ただ「作りたいもの」を形にしました。 今振り返ると、あの頃は本当に楽しかった。 小さな店の一角にブースを借りて並べてみたり、手探りで、失敗もたくさんしました。 正直、うまくはいきませんでした。

アイパッチ

ある日、まだ小さな子供が、学校で「弱視の可能性がある」と言われました。 眼科での診断。 そして始まったのは、よく見える方の目を遮断し、弱い方の目で見る訓練でした。 方法はとても簡単で、よく見える目にシールを貼るだけ。 けれど、その小さな顔に貼られた無機質なシールが、どうしても切なく見えたのです。それは、きっとお母さんの愛情だったのでしょう。 「かわいそう」ではなく、 「少しでも前向きに、少しでも楽しく」 そう願って考えました。 味気ないシールではなく、 肌にやさしく、 かわいくて、 子ども自身が“つけたくなる”ものを。こうして生まれたのが、布製の子供用アイパッチです。 長年、服を縫ってきた私たちだからこそできる形。 ただの医療補助具ではなく、 子どもの気持ちに寄り添うための一枚です。針と糸で、少しだけ未来を縫い足す。 それが、私たちのものづくりです。

ランドセル補助バック

次に生まれた商品も、やはりお孫さんの姿がきっかけでした。 まだ小さな体で、背中にはランドセル。 手には大きな荷物。 その姿を見て、「重すぎるな」「かわいそうだな」と、胸の奥が少し痛んだのですどうにかできないだろうか。 そうして思いついたのが、ランドセルに取り付けられる補助バッグでした。 ただ、ここで大きな壁にぶつかります。 日本で作る、ということ。 それは誇りでもあり、同時に現実でもあります。市場を見渡せば、他社の商品は上代2,000円前後。 私たちがどれだけ工夫しても、どうしても4,000円、5,000円になってしまう。 技術も想いも詰まっているのに、価格という数字だけが立ちはだかる。 正直、悔しかった。 でも、資金を投じて海外で大量生産する体力はありません。それでも―― 「必要としている人がいるはずだ」 そう信じて、いちかばちか、ネットにアップしてみました。すると、少しずつ届きはじめたのです。 お客様の声が。「こんな商品を探していました」子どもが週に一度、体操服を持って帰ること。 それまでは学校に置いておかなければならないこと。 カバーごと簡単に脱着できて、そのままフックに掛けられるものが欲しかったこと。 そして、この補助バッグには、手持ちの部分があり、 上はファスナー仕様で出し入れがしやすく、 たくさん入ること。「すべての理想が叶いました」 「本当に完璧な商品です」 「下の子も欲しいと言っているので、また購入します」画面越しの文字なのに、胸が熱くなりました。 数字では測れない価値が、確かにそこにあったのです。子どもを想う気持ちから生まれたものが、 別の誰かの“困っていた日常”を、そっと支える。 それは、大量生産では生まれにくい、 人の目と、手と、心が通ったものづくりの答えでした。私たちは今日も、 「大変そうだな」から始まる気持ちを、 「よかったな」に変えるために、縫い続けています。

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